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昔ばなし
金こい銀こい 掛川市原泉地区
昔むかし、六部さまが掛川の原泉というところにやってきました。六部さまは今夜の宿をさがしておりましたので、 六部さまが屋敷へ行ってみると、それは大きな空き屋敷で中は荒れ放題、庭は草ぼうぼうでしたが、夜露をしのげることに感謝しながら静かに床につきました。 三日目の朝になって、六部さまは庄屋さまに昨夜のできごとを話し、村人たちとともに、その古井戸を調べてみることにしました。覗いて見ると、井戸の底になにやら茶色いものが見えます。村人たちが見守る中、六部さまが古井戸の中に降りていきました。 中にあったのは、三つの瓶(かめ)でした。みんなで引き上げて、庄屋さまが恐るおそるふたを取ると、びっくり仰天、中には金貨、銀貨がぎっしりと詰まっていたのです。 庄屋さまは、「この屋敷は代々指折りの長者さまだったから、その当時に蓄えたものがそのまま埋もれていたのだろう。」とおっしゃいました。六部さまが来られたので、主の無念からこの宝が古井戸にあることを伝えたのだと。 庄屋さまはじめ村人たちは、この宝で没落した当家の菩提を弔うことにし、六部さまは小さな庵を建てて菩提を弔いながら村で暮らしたそうです。 ※六部:旅の修行僧 |
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*参考文献 | 『ふるさと掛川 第4集』掛川市教育委員会 |
『掛川のむかし話』掛川歴史教室 |
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