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シバタ塾 こぼれ話
第2話『お抹茶にびっくり』

 私は静岡県の生まれで、幼少の頃から煎茶を飲むのが我が家の習慣でした。「お茶の習慣が地方によってこんなにちがうのか」と痛感したのは大人になってからのことです。

 今から30年ほど前のこと。出張のため、木曽川下流の藤前干潟あたりへ出かけたときに、自転車で移動していたらパンクしてしまったのです。困ってしまって自転車屋さんに駆け込んで修理をお願いしたところ、店の方が待っている私にお抹茶を出してくださったのです。これには驚きましたね。その出し方といったらごく自然で、日頃お抹茶を飲みつけない私としてはとても新鮮な体験でした。
 自転車が直ってから外を走ってみると、田んぼで野良しごとをしている農家のみなさんが、おやつ時になると田んぼの脇で野立てでお抹茶をたてて飲んでいるのです。その光景を目にしたときには、東西の文化のちがいを強く感じました。

 愛知県西尾は抹茶の生産地ですからね。西尾が抹茶の産地として栄えたのは、信長や秀吉の影響もあると思いますが、土地の水が影響しているのだと思います。四国周辺など、井戸水に海の塩分を含んでいる地域で番茶を飲むのは、微妙な味や香り、風味を楽しむ煎茶を塩分を含んだ水でいれてもおいしくないからでしょう。自然条件や歴史的背景が重なって、西日本では煎茶ではなく「抹茶+番茶」の文化がひろがったのだと思います。

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