基本編ロゴ[農業経営]8.品種導入の事例


あさつゆ

◆A017.御林茶業組合とあさつゆ

「あさつゆ」を生産している掛川市の御林茶業組合は、組織ぐるみの品種導入に成功しました。あさつゆは、中生品種として甘い香りがするお茶として茶商さんの間でも評判となり、契約栽培も行ったと聞いています。以前、私は御林で秋整枝の指導を依頼されて、よく伸びた枝を深めに整枝した翌年にとても立派な芽が出たのを体験しました。これは、組合員の皆さんの管理方法による面もありますが、まず「地域に適した品種を選んだな」と感じました。また、製造工程の工夫による製品の品質向上など、とても熱心に取り組んで評価されています。

知覧町の茶園

早生
中生
晩生
・ゆたかみどり
・さえみどり
・あさつゆ
・やぶきた
・あさのか
・おくみどり

◆A018.鹿児島県知覧の品種統一

鹿児島県の知覧では、地域ぐるみの品種選定が行われています。導入品種を右の6品種に定めて、茶工場の組織ごとに、操業の比率をみながら各組合員に植える品種の指導を徹底しています。
鹿児島県は「ゆたかみどり」を主体とした品種構成が行われていますが、このように地域で品種を統一しする動きは未だ稀だと思います。 「さえみどり」は「やぶきた×あさつゆ」の早生品種で、やぶきたよりも2〜5日摘採適期が早い。「ゆたかみどり」は「あさつゆ」の自然実生の早生品種で、摘採時期がやぶきたより一番茶で5日位早く摘採できますが、旨みが乏しいため被覆して良質の茶が生産されています。また凍霜害を受けやすく回復が弱いようです。
おそらく知覧では、地域特性を考えて南部早場所の立地を活かしながら、品質を検討して導入を統一したのでしょう。とても良い試みだと思います。


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