◆M007.病害虫の発生消長を予察する
農薬の使用量は、環境や製品イメージの面から、施肥量とともに注目されています。必要最小限の農薬で効果的な防除を行うことが望ましい。そのためには、病害虫の発生消長を理解した上で茶園の症状を的確に診断することが大切です。 適期に防除するには、病害虫の発生ピークを把握して薬剤が効果を発揮する発生時点で散布するわけですが、このピークをつかむのが難しいのです。 最近、虫をフェロモンで誘殺して科学的に発生ピークを予察する機器が開発されていますが、研究機関等から出される発生情報をキャッチして、茶園の状態や捕獲頭数から経験的にピークを予察することが必要です。
◆M008.フェロモントラップ
フェロモン誘引剤と水を張ったトレイ(または粘着シート)でフェロモントラップをつくって茶園に設置し、トレイに誘殺された虫の頭数を数えて、発生の消長を調査します。 なるべく正確なデータを求めるために、フェロモンは有効期限で交換し、水やシートは調査に支障のないように交換してください。
フェロモンは薬剤メーカーから発売されており、社団法人日本植物防疫協会が一括して取り扱っています。農協などを通じて入手できます。
◆M009.たたき落とし法
ウンカ、スリップス、ダニなどの発生調査には「たたき落とし法」を行います。調査は、虫見板を片手で持って、もう片方の手で株を10回たたき、虫見板に落ちた虫の数を数える方法です。全体の発生率をつかむために、同一ほ場内の異なる場所を4ヶ所で行いましょう。 調査の結果によって右表のように判断し、要防除と確認されたら防除します。
◆M010.近隣の茶園に注意
薬剤の散布は、製品(荒茶)に影響しないように細心の注意をはらってください。摘採前に防除する場合には、短期間でも効果のある速効性の薬剤を選択すること。そして、薬剤に記載されている散布時期(摘採前何日など)を必ず守ること。
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