基本編ロゴ[土壌]5.施肥と環境

窒素成分溶脱の実験結果

◆D010.施肥の溶脱

施肥量は、茶樹が必要とする成分量と肥料の吸収率から算出します。研究上では、50%の利用率が理想的とされています。
茶樹はアンモニア態窒素を好んで吸収するため、アンモニア態窒素でいる期間を長く保ち利用率を高めることが望まれます。しかし、アンモニア態窒素はプラスの電極をもち、土はマイナスですから土壌に吸着されやすい性質があります。一方、硝酸態窒素はマイナスですから、土壌と反発しあって移動していき、それが溶脱の問題となります。
ところが、最近の試験研究(愛知県や静岡県)で土壌の下の方にアンモニア態窒素が移動しているという結果も出ています。土壌の表面に留まりやすいアンモニア態窒素を地下部からも吸収させるような施肥方法を行うことが、茶樹の利用率を高めることにつながります。
また、硝酸化抑制剤入り肥料を施用することで、アンモニア態窒素でいる時間を長くして吸収率を高めることができます。

茶産地の各研究機関では、溶脱する窒素をリサイクルする研究が進められています。静岡県の行っている研究は、硝酸態窒素は地層の表面部分を通るため、その地下水を収集して再度茶園に表面散布するという構想です。地下水脈の明確な把握が困難なため実用化のめどはまだ立っていませんが、将来、環境問題と共存して茶業を行うために期待される研究です。


◆D011.リサイクル堆肥の利用

最近では人々のゴミ問題への関心が高まり、収集分別されるようになりました。生ゴミの堆肥化が盛んに行われるようになり、先進的な地域では都市住民と生産者の循環を試みているようです。良質な堆肥が低コストで供給されるようになれば、生産者側としてもリサイクル堆肥の活用を積極的に行ってほしいと思います。


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