基本編ロゴ[土壌]6.土壌診断

◆D013.土壌診断の改善基準

土壌診断では、指導機関によって出された改善基準をもとに過不足を診断します。土壌の種類によって有効土層や透水性、化学性等が異なるため、表のように土壌の種類ごとに基準が示されています。

茶園土壌の改善基準(静岡県)
土壌の種類
黒ボク土
(細粒)
褐色森林土
赤色土
黄色土
灰色台地土
(中粗粒、礫質)
褐色森林土
赤色土
黄色土
灰色台地土
作土の厚さ
作土のpF1.5の気相
18%以上
主要根群域の厚さ
60cm以上
透水係数
10 ̄4cm/sce以上
適水分域
pF1.5〜2.3
主要根群域のち密度
20mm以下
適正pH (H2O)
4.0〜5.0
(KC1)
3.5〜4.5
腐植(乾土)
8%以上
5%以上
3%以上
陽イオン交換容量
(乾土CEC)
20me以上
20me以上
15me以上
塩基含量
(乾土)
CaO
100〜200mg
100〜150mg
60〜100mg
MgO
25〜50mg
20〜40mg
20〜40mg
K2O
25〜75mg
25〜75mg
25〜50mg
CaO飽和度
15〜25%
塩基飽和度
25〜40%
有効P2P5
(乾土Truog)
10〜30mg
20〜50mg
20〜50mg
EC
1.0m以下
『静岡県茶指導指針』より

 


◆D014.土壌診断の見方

土壌診断では、診断されたデータとそれに基づいて改善コメントが書かれたものが個々に配付されます。診断結果が何を現しているのかを知るために、基礎的なことに触れておきます。

土壌診断結果表

No.  
氏名
作物
月 日
施肥 前・後 生育 良・普通・不良
測定項目
測定値
改良目標値
判定
土性
S・SL・L
CL・C
土色
灰・暗・褐・黒・明・黄・赤・青
黒ボク土
細粒赤黄褐色
礫質・中粗粒質
ECms/cm
1.0mS以下
低・高
土壌改良資材等
施用量
(kg/10a )
pH(H2O)
4.0〜5.0
低・高






炭カル(石灰53%)  




石灰
(mg/100g土)
100〜200
100〜150
60〜100
多・少
苦土石灰(石灰32%,苦土15%)  
苦土
(mg/100g土)
25〜50
20〜40
20〜40
多・少
アズミン苦土石灰(10%)(石灰29%,苦土14.5%)  
加里
(mg/100g土)
25〜75
25〜75
25〜50
多・少
アズミン苦土石灰(20%)(石灰26%,苦土14%)  
有効りん酸
(mg/100g土)
10〜30
20〜50
20〜50
多・少

マグサム(又はエスカル)(石灰28%,苦土3%)

 
腐植
%
8%以上
5%以上
3%以上
少ない
セルカ48(石灰47%,苦土0.7%)  
硫マグ(苦土25%)  
水マグ(苦土60%)  
スーパーマグ(苦土33%)  


重焼りん(りん酸35%,苦土4.5%)  
ようりん(りん酸20%,苦土15%,けい酸20%)  
過りん酸石灰(りん酸17%)  

硫酸カリ(カリ50%)  
ケイ酸カリ(かり20%,苦土3%,けい酸30%)  


アズミン(苦土10%)  
堆肥(キノックス,みのり堆肥)  
   

その他:

 

 

1.pH

PHとは、土壌の酸性度のこと。土壌中の水素イオン濃度H+を0〜14の数値で表し、7.0が中性で、PHの値が小さいほど水素イオン濃度が高いということです。
茶樹は弱酸性を好み、PH4〜5が適正です。

2.EC(電気伝導度) 土壌中の塩類濃度の指標となるもので、とくに硝酸態窒素を推定するのに使われます。
3.CEC(塩基置換容量) 陽イオン吸着率のこと。塩基であるカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、アンモニア等の陽イオンを吸着する能力を示し、CEC値が大きいほど保肥力が高い土壌です。
4.リン酸吸収係数 吸収係数は、リン酸固定力を表します。土壌中には大量のリン酸が含まれていますが、土壌に強く吸着固定されていて、とくに火山灰土壌では固定力が強い。固定力の高い土壌では、作物の吸収量よりも多く施用する必要が出てきます。
5.石灰、苦土ほか

土壌に含まれる成分の量が計測値として表示されます。適正値との過不足を見て、土壌改良の基準とします。

石灰苦土

 


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