基本編ロゴ[防除]18.防除方法

薬剤が到達した葉の比率
葉の位置 葉の表面 葉の裏面
(周辺部)
葉の裏面
(中央部)
茶株の表面
100%
89%
66%
茶株の内側
100%
65%
30%
◆M017.葉裏に届く防除が大切(試験結果 )

生産者の健康や動力軽減のために、また消費者に対する商品イメージの面からも病害虫防除を少量で適確に行うことが求められています。そのためには、適期の防除、適材の使用、適確な方法で薬剤散布することが必要とされます。これらの目的から静岡県茶業試験場で「主要病害虫に対する農薬の特性と効果」という試験研究が行われました。

右表のように、一般的に動噴で薬剤散布すた場合、薬液は株内部の葉裏には十分到達していないことがわかりました。この試験結果 から、チャノミドリヒメヨコバイや炭そ病など新芽を対象にした薬剤散布の場合は、新芽が立っているため葉裏にも薬剤が達しやすいのですが、チャハマキのように株内部にいる害虫を対象に散布する場合には、効果を出しにくいことがわかります。

薬剤の葉での付着量と効果の関係
(チャハマキ3齢幼虫に対する)
ダーズバン乳剤グラフ
付着量が0.5mg/cm2と少量でも両面に付着すれば高い効果。2mg/cm2であれば表面だけの付着でも90%効果。
テルスター水和剤グラフ
両面に薬剤が付着しても量が十分でなければ効果を発揮しない。葉の表面だけでは通常の2倍以上でも両面と同等の効果はない。
ロムダンフロアブルグラフ
テルスター水和剤と同等。
デルフィン顆粒水和剤グラフ
5mg/cm2以上の薬液で付着しなければ高い効果は望めない。

静岡県茶業試験場小杉氏

そこで、薬剤量の付着する量の多少によってその効果にどのような変化があるか、チャハマキの3齢幼虫に対する防除で試験されています。
この試験結果から、薬剤が葉の両面に均一に付着することが大切で、薬剤の量がやや少なくても効果があることがわかりました。裏面への到達の必要性については薬剤の種類によって差異があり、薬剤の特性によって付着量が多ければ葉の表面だけでも効果があるもの、葉裏に付着すれば量が少なくても効果の高いものなど、それぞれの特性があります。

濃度が高ければ表面だけで効果があるといっても、薬剤の使用方法を守って安全性の高い防除を行うべきです。薬剤によっては濃度を薄くして均一に葉裏にかかるように防除することが大切です。

 
 木村塾TOP 木村先生プロフィール 基本編もくじ  

お気軽にご意見ご感想をお寄せください。

お茶街道文化会
主催:カワサキ機工株式会社

ochakaido@ochakaido.com