[データA:芽数型の茶園]
右のデータは収量があがらないと相談を受けて訪問した先の茶園です。調査結果では枠収量が26.3gで摘採面積率90%で計算すると収量は591.8kg/10aです。
ここで理想的な収量構成を一芽重0.5g、摘採芽数60本とした場合、予測収量は675kg/10aとなります。 この目標に対して一芽重は0.48gと近いのですが、芽数が足りません。
その原因を追求したところ、無効芽が多くあることがわかりました。有効芽数を高めて良質生産を図るには、枝の構成を改善する必要があると思われます。
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枠摘みデータの例:A茶園/2001.05.01
調査項目
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被覆園
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無被覆園
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平均
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枠収量(g) |
28.3
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24.3
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26.3
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出開き(本) |
43.7
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33.0
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38.4
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未開き(本) |
17.3
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16.7
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17.0
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合計芽数(本) |
61
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49.7
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55.4
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出開き率(%)
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71.6
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66.4
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69.0
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一芽重(g) |
0.47
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0.49
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0.48
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[データB:芽重型の茶園]
右のデータは前年更新した茶園を調査した結果です。出開き率だけを見ると66%と摘採適期に見えますが、芽長がとても長く一芽重も平均で0.76gと重くなっていました。これは「芽に伸びる力がある」ということですから良いことですが、全体的に見て1本あたりの芽が大きくなりすぎていて、枠収量を換算すると1,000kg/10a程の収量になります。此の場合品質重視で摘採するならば、浅摘みするか摘採時期を3〜4日早めた方がよいと思います。
枝の構成を改善するために更新を行った茶園ですから、このように太い枝をつくって二・三番茶と摘採すれば芽数が増えます。
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枠摘みデータの例:B茶園/2001.05.07
調査項目
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1(頂部)
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2(北側)
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3(南側)
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平均
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枠収量(g) |
42.96
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39.89
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48.27
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43.71
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摘芽重(g)
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37.27
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31.60
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38.78
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35.88
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出開き(本) |
22
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30
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42
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94
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未開き(本) |
20
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12
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15
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15.67
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合計芽数(本) |
42
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42
|
57
|
47
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出開き率(%)
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52.38
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71.43
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73.68
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66.67
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一芽重(g) |
0.887
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0.752
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0.680
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0.763
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平均芽長(mm)
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80.43
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56.80
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68.60
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平均葉数(枚)
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3.40
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3.15
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3.05
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全芽長(mm) |
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全芽長(g) |
1.32
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1.47
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1.39
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1.39
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