You are here: TOPPAGE 歴史探訪案内 昔ばなし 第1回 夜泣き石  

昔ばなし

夜泣き石

むかしむかし、暗い夜道を大きなおなかをした若い女の人が 小夜の中道の峠を越えようとしていました。
そのとき、暗がりから盗賊があらわれました。
「金を出せ!」
「どうぞ、命ばかりはお助けください。私のおなかには、赤ちゃんがいるのです。」
女の人は命ごいをしたのですが、盗賊は言うことも聞かず、ばっさりと切り殺し、 持ち物を奪うと、どこかへ姿をくらませてしまいました。
女の人の息はもう止まっていましたが、その傷口から、赤ちゃんが生まれました。
夜泣き石
しかし、赤ちゃんは元気がなく、自分の力では泣くことができませんでした。
このままでは誰にも気づかれることなく、赤ちゃんも死んでしまいます。
そのとき、不思議なことに、近くにあった石が大きな声で泣きはじめたのです。
聞きつけた村人がかけつけ、赤ちゃんを助けだしました。
死んだ女の人は手厚く葬られました。
それから、しばらくして夜になると時折、この石は声をあげて泣くようになりました。
こうして誰となくこの石を「夜泣き石」と呼ぶようになったのです。

 

昔ばなしのもくじ 夜泣き石 峠の伝説と伝承 小夜の中山  

 

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