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昔ばなし
八柄の鉦
むかしむかし、小夜の峠で八柄鉦をたたく男の子がいました。八柄鉦は腰につけた八つの鉦を、ぐるぐる回って浮かしながらたたくという、たいそうつらい芸でした。
ある日、峠を通りがかった旅人が、芸が終わって草むらで休む男の子に声をかけました。 「小ちゃい体で、つらかぁないかね」 「つらいけど、家にゃもっと小ちゃな弟や妹がおるから。それに、じぃちゃんが、鉦にゃ八人の仏さまがついとる、いい音鳴らしてりゃ、いいことあるって言っとるし」 そう男の子は、いじらしく笑いました。 用を済ませた帰り道、旅人はまた峠にさしかかりました。その日はちょうど雨。男の子は雨の中で鉦をうち鳴らしつづけ、旅人の目の前で倒れて、あっけなく死んでしまいました。ふびんに思った旅人は、村人と一緒に小さなお堂を建てました。 それからというもの、雨の日、峠ではお堂から鉦の音がひびくことがあったとか。そんなとき、人々は「仏さまが男の子のために鉦を鳴らしてる」と言ったそうです。 榛原郡金谷町菊川 |
*東海道金谷宿昔ばなし「八挺鉦」(金谷町教育委員会発行)を参考に創作
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