第8回粗揉-3 『粗揉の速度と強さ』 |
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8-2-1.バネ圧のはたらき
揉み手は茶葉の内部にある水分を揉み出すはたらきをしています。粗揉時間と揉み手のバネ圧は関係してくるというのはわかりましたね。ですから揉み出す力が大きければ、乾燥させる速度も速くしなければいけない。表面乾燥の速度と揉み出す速度を同じにするよう、バネ圧を調整します。 基本的には機械のサイズに合わせて硬葉や番茶は強く、ミル芽は弱く調整します。ただし、自然仕立ての幼木園の手摘み茶の場合は、ミル芽よりもさらに1kg強くします。
[Point-1揉み手バネ圧の標準] 原料 単体粗揉 備考 みる芽
5.0kg 35k型機では500g減量。
120k型機以上では1kg増量。・葉打機は1.5kg〜2.0kg
・ワイド粗揉機は4.0kg〜5.0kg普通芽 5.5kg 硬葉 6.0kg 番茶 6.0kg
生葉の品質によってバネ圧を調整するのですね。0.5kgきざみで微妙な感じもしますけど…。
揉み手は計測するバネの先で揉むわけではなく揉み手の肩の部分で揉みます。先端のバネ圧が4kgとすると、揉み手の肩で茶葉に加える力はその10倍以上になるのです。しかも毎分30回以上の速度で茶葉を揉み込むのですから、微妙な調整が大きく影響すると考えましょうね。
バネ圧の強弱は、茶葉にどのように影響しますか?
バネが強い方が緑の冴えたお茶になりますね。弱いと太よれで黒みがかってくる…。
ということは、強くした方がいいってこと?
強ければいいというわけではありません。第一には恒率乾燥させること。昔はバネを強くすると葉切れするから弱くするようにと教えられましたが、バネを強くして中から水分を揉み出さなければ上乾きして葉切れしてしまいます。
粗揉時間とバネ圧の関係を記しておきましょう。
バネ圧 形状 粗揉時間 1.5kg/5分 太よれ 80分 2.0kg/5分 70分 3.0kg/5分 60分
4.0kg/5分 55分 5.0kg/5分 50分 6.0kg/5分 45分 7.0kg/5分 40分 8.0kg/5分
細よれ 35分
8-2-2.バネ圧調整のしかた
バネ圧はどうやって調整するのですか?
下図のように先端にワイヤーでバネ測りを取り付け、ヘラがたわむ方向(シャフトより少し上部)へ正確に5cm引っ張ります。その状態でバネ測りが示す重さをバネ圧としています。調整の仕方は、手に調整ネジというのが付いていますから、そのネジでバネを押すしくみで調整します。
[Point-1]バネ圧の測り方 バネ圧計測用の器具
*器具をご希望の方はE-mailで。
ここでの違いがわずかでも、茶葉に加わる力は大きく変わるのですね。正確に測って恒率乾燥させましょう。
みなさんもバネ圧を測ってみましょう。 次は葉ざらい手と底竹の隙間調整についてです。 |
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