第9回揉捻-1 『新しい時代の揉捻』 |
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9-2-1.揉捻時間の設定
揉みすぎると茶葉が切れてしまいそうで心配ですけど…。
揉捻という言葉には、ひねりつぶすようなイメージがありますからね。でも、第8回-出し度で説明したように、ちょうどいいタイミングで粗揉機から出していれば、葉はとても強い状態にあります。揉捻は長くかけるほどいいと言ってもよい工程なのです。
昔は、揉捻のことを「搓揉」と呼びました。「搓」とは、紙を揉みしごいてやわらかくすることで、私はこの「搓揉」の方が工程に適した言葉だと思うのですよ。
揉捻をかける時間は、どれくらいが理想なのですか?
昔は15分くらいでしたが、今は30分以上揉捻にかけるのが良いという実験結果が出ています。ただし、時間は製茶工場全体の処理能力に影響しますから、揉捻機の台数が少ない工場では機械更新の際に検討していただきたいですね。近年新設または機械更新された製茶工場では、粗揉機1:揉捻機1 の機械導入がされていて、中には揉捻機台数の方が多いという工場も出てきました。この傾向は、揉捻の効果が注目されてきたからといえるでしょう。
揉捻機60K-A9-2-2.揉捻のはたらき
揉捻はどのように働くのですか?
適度なおもりの圧力をかけて旋回運動させ、茶葉同士が揉み合って中の水分を表面に移行させます。 おもりのかけすぎは、揉捻機の運動をさまたげる場合もあるので、揉捻効果は重さではなく時間によって得るものと考えましょう。
粗揉機のように出し度というのがあるのですか?
揉捻は出し度という考えはなく、経過時間で考えてください。
経過時間 茶葉の状態 5分 握ったときに団子状になる。 15分 水分が平均化してくるとほぐれるようになる。 30分 葉が細くよれて茎が見えなくなり、各部が同じ色になる。 水分にバラつきがあるうちは、湿った葉に乾いた葉がくっついて団子になります。これがほぐれてくると水分が均一になってきた証拠。そして茎の水分が揉み出されると、茎の色が葉の色と同色になり目立たなくなります。
粗揉工程でできた乾燥むらがなくなり、よくよれて茶葉の各部分の色が同じ色になってきたら取り出しの適度です。 芽重型の原葉ほど揉捻時間が長くなります。
次は揉捻機の投入量についておしえていただきます。 |
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