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基本編ロゴ[土壌]3.施肥
 

◆D004.濃度障害とは?

濃度障害とは、肥料の過剰な投下や投入の偏りによる集中が原因で、根が腐食するなどの悪影響を受けることを言います。
土壌診断の数値をもとに適正な施肥量を守っても、広幅に散布しなかった場合や、傾斜地での集中的な降雨によって偏りが生じて濃度障害が起こる場合もあります。

 

◆D005.年間施肥量の考え方

「茶樹が生存するために必要とする最低限の成分と、摘採する生葉に含まれる成分を補充する」というのが、施肥における基本的な考え方です。 与えた肥料は、茶樹に吸収利用される分、土壌に残存する分、流出する分に分けられ、土壌の種類や地形、気象条件、茶樹の状態によってその吸収率は異なります。

年間施肥量(/10a)=必要な成分量(/生葉100kg)÷吸収率 ×(収穫量/10a÷100kg)

1.茶樹の吸収利用
与えた肥料のうち、茶樹に吸収される割合は土壌状態や根の活性度によって異なりますが、およそ20〜50%です。茶樹が吸収する窒素量は、概ね20〜25kg/10a程度で、施肥量を増やしてもあまり増加しません(2-1-1)。

  含有率(生葉%)
窒素(N) 0.75〜1.50
リン酸(P2O5) 0.10〜0.25
カリ(K2O) 0.25〜0.75
石灰(CaO) 0.05〜0.20
苦土(CaO) 0.05〜0.13
『静岡県茶生産指導指針』より

2.生葉に含まれる成分量
生葉には、右表のような成分が含まれています。若芽ほど窒素含有率が高く、二番茶・三番茶では1%程度と窒素含有量は低くなります。

3.残存流出
吸収されなかった肥料は、土壌に残存します。徐々に樹体に吸収されるために必要な分もありますが、多量の施肥により濃度障害、環境汚染等の悪影響を及ぼす場合があります。

 

仮定算出条件

目標収量=2,200kg、生葉中の窒素1.2%
肥料吸収率40%(PH5とした場合)

計算式

生葉100kg中窒素必要量
100kg×1.2%÷0.4=3kg

施肥窒素
2,200kg÷100×3=66kg

窒素・リン酸・カリ施肥割合
窒素3:リン酸1:カリ1.5

リン酸=2,200÷100×1=22kg
(施肥基準は20kg)
カリ=2,200÷100×1.5=33kg
(施肥基準は30kg)

◆D006.施肥量算出のし方

10a当たりの年間施肥量は、10a当たり収量、生葉中窒素量、施肥割合をもとに算出します。
右は、条件を仮定した算出の事例です。

 
 

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