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お茶の歴史 お茶の書物と記録2

日本最古の茶の記録『日本後期』

『日本後紀』は弘仁十(819)年に編集開始され承和七(840)年に藤原冬嗣・藤原緒嗣(オツグ)らによって完成された書で、792年から833年の間の史実が記述されています。
この『日本後紀』嵯峨天皇の韓崎行幸の際の記事で、唐から帰朝した永忠が天皇に滋賀里の梵釈寺で茶を献じたと伝えているのが、茶が記録に登場する最初です。

廿二日、近江国滋賀韓崎に幸す。便ち崇福寺を過ぐ。大僧都永忠、護命法師等、衆僧を率い、門外に迎え奉る。皇帝輿を降り、堂に上り、仏を礼す。更に梵釈寺を過ぐ。輿を停めて詩を賦す。皇太弟および群臣、和し奉るもの衆し。大僧都永忠、手自ら茶を煎じて奉御す。御被を施さる。即ち船に御し湖に泛ぶ。国司、風俗歌舞を奏し、五位巳上ならびに掾以下に衣被を賜う。史生以下郡司以上、綿を賜うこと差あり。

しかし、この嵯峨天皇の行幸は弘仁六(815)年四月とあり、永忠が帰国してから10年の時が経っています。永忠の献じた茶は中国から持ち帰ったものなのか、日本でつくられた茶なのか。永忠が茶の種子を持ち帰ったとの記録がないため定かではありませんが、林屋辰三郎氏(『図録茶道史』著者)は、永忠が手自ら奉御した茶は、彼の帰朝とともに植えられ十年して生育した茶を献上したものではないかと推察されています。

参考:『日本のお茶1お茶と生産』ぎょうせい
榛原憲自著部分

 

出土品 日本後紀 漢詩の茶 季御読経  

 

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