You are here: TOPPAGE 歴史探訪案内 昔ばなし 第17回おじいときつね  

昔ばなし

おじいときつね 榛原郡金谷町

 むかし、金谷に「かいさくじいさん」というとうふ屋がいました。
おじいは毎日とうふや油揚げをかついで、牧之原のほうぼうへ売り歩いていました。
一日売り歩いて弘法坂から大杉のあたりまでくると、真っ暗な道になります。 そんなとき、かついでいる荷が急に重くなって、そのうちまた軽くなり、 帰ってオケをあけると、残っているはずの油揚げがなくなっているのでした。

 おじいは「キツネのしわざにちがいない」と思い、くやしがりました。 それで、大杉のあたりで荷が重くなると、 てんびん棒で、めくらめっぽうあたりをたたきつけるようになりました。 しかし、やっぱり帰って見ると、油揚げはなくなっているのです。
こんなことが続いているうちに、おじいはキツネのことを まるで知り合いのように思うようになってきていました。
ある日のこと、かいさくじいが、ぽっくり死んでしまいました。 そのお通夜の晩、いつ来たのか身なりの立派なおかみさんが、枕もとでお線香をあげて帰りました。 居合わせた人々は、このおかみさんのことを誰ひとり知りませんでした。そのうち一人が、 「さっきの女の人は、おじいがよく言ってた油揚げの...」と言いました。 みんなも「そうに違いない。お礼を言いに来ただ。」と、口ぐちに言い合いました。

参考文献 『金谷のむかし話 第2集』金谷町教育委員会

 

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