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シバタ塾
第5回『蒸熱工程の実践』
5-1.投入量と蒸気量5-1-1.投入量の適量とは
生葉の投入量は、蒸機のサイズや性能によって最大量が決まっています。投入量の多少によって、次のようなトラブルが発生しますから、注意しましょう。
多すぎる葉切れ、若蒸しが起こる 茶葉の汁が出て蒸し露が生じ、品質低下 少なすぎる赤い過蒸し葉が出る ムラ蒸しが起こる(ミノ虫状の小玉が生じる) ムラ蒸しを起こさないために間断なく生葉を供給することが大切です。
5-1-2.最適投入量の計算
蒸熱中に胴内に滞留している生葉の適量は60〜70g/リットル と一定で、蒸し時間が長いほど投入量を少なく設定します。 その定数から、まず最大投入量を計算します。
※F値はかさ密度の係数で、生葉に応じた投入量を算出するために、下記の値をあてはめます。
ミル芽 普通芽 硬葉 番茶 70kg 65kg 60kg 50〜40kg ※K値は蒸し度係数で、下記の計算で出た値をあてはめます。
蒸し度係数(K)=((蒸し度−30)/40)×0.15+1 上記の数式で算出された最大投入量の50%が最低投入量です。最大投入量 から最低投入量の域内が最適投入量です。
5-1-3.生産ラインの加工量
大規模製茶工場では、生葉流量計を使ってコンピュータで計算した生葉を一定に供給することができますから、蒸熱後の工程を効率良く進める投入量であることが算出条件のひとつです。そのためには粗揉機の投入量を基準に次のような計算をします。
生葉流量計流量計がある場合、生葉加工量の算出のしかたは、
です。
また、製造中の毎時投入量を算出する方法は、 です。
5-1-4.蒸気量
生葉投入量と関係し合う、蒸熱機械の蒸気性質(量と温度)と圧力を調整します。茶葉を蒸すのに必要な蒸気量は計算上200gですが、一定に保つために下記の蒸気量が適量と考えます。
蒸気量は、生葉の投入量に応じて計算します。たとえば、胴回転式蒸機で毎時400kgの生葉を蒸熱するのに必要な蒸気量の計算は、
400×0.3kg=120kg/時 となります。
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