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シバタ塾
第7回 粗揉-2『茶温としとりを守って粗揉』
7-2.熱風温度とお天気の関係7-2-1.絶対湿度が関係する
熱風温度の調整にどうしてお天気が関係するのですか?
熱風で乾かすということは、みなさんの工場で熱風発生装置を働かせるとき、室内の空気を機械に吸入し、茶葉を乾燥させるはたらきをして排出させます。ここで室内の空気の状態が大きく影響してくる。だから工場内の乾球と湿球の温度を測定し、その測定値を機械の設定の基準とするのです。
新茶がとれる4〜5月頃は乾燥しているけど、二番茶の6月頃はジメジメしてますね。
そう。熱風を使うのは、温度を上げることで空気を乾燥させて、その乾燥させた空気が茶葉から水分を奪うから。たとえば、雨の降った日には乾きが悪いし、春の空気が乾いている時期はお茶が乾きやすいし、夏だと湿気が多いから乾きにくい。夏にビール瓶を出すと水滴がつくけど、冬ならつかないでしょう。それだけ空気中の水分量がちがう、つまり質の異なる空気を使うのだから、機械の設定を変えなければいけないということです。
7-2グラフ-1:番茶時期の絶対湿度 7-2グラフ-2:2〜11月の絶対湿度
−最高値・平均値・最低値−
右上のグラフは月ごとの空気中に含まれる水蒸気の量をグラフにしたものです。これを絶対湿度といいます。0.015とは、1kgに対して15gの水分を含んだ空気のこと。15gというと、大さじ1杯分の水が1kgの空気(=0.85m3位)の中に水蒸気になってあるということですね。
7-2-2.お天気と熱風温度の関係
熱風を送るのに使う空気の絶対湿度によって乾燥の働きがちがうからということですか?
そう。右下のグラフを見てもわかるとおり、絶対湿度は日によって大きく変化していますから熱風温度の設定を変えなければいけません。その変化を大きく季節で言えば、空気が乾燥した一番茶の頃は熱風温度を上げ、湿度の高い夏場には熱風温度を下げます。
季節ごとにこんなに変わるのですね。最高と最低の差が大きいということは、毎日の変化に対応しなきゃいけないってことですね。
そうですね。グラフを見てわかるように、1日ごとに絶対湿度が変わりますからきちんと測定して設定しましょう。
それから、夜は気温が下がり、空気中の水蒸気が結露(夜露)して除湿されて絶対湿度が下がります。日中夕方6時頃まではあまり変化しませんが、夜温度差が激しい日の夜に製茶する場合は、頻繁に風量を調整するようにしましょう。
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