第10回中揉-1 『中揉の総論と中揉み機』 |
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10-2.乾燥速度と水分
10-2-1.中揉の乾燥速度
10-1でお話ししたように、中揉みと中揉では水分の状態が違いますから、中揉の限界含水率60〜70%以後は、乾燥のさせ方を変えなければいけません。 中揉み機と中揉機は、その時点の原料の状態から水分を取り除くために適した機能をそれぞれに備えています。茶温を守って乾燥させていくには、水分が減少してくるほど茶葉にかける熱や風のはたらきに大きく差があるため、機械を変えるのですよ。
では、どのように乾燥させるのでしょう。まず製茶全体から見るために、 工程の乾燥グラフを見ましょう。
上の図では中揉み15分+中揉30分=中揉全体で45分の乾燥時間をとっています。標準的にこの時間でよいとされていますが、中揉以後は茶温を上げないように乾燥させることが最も大切なことですから、低温で長時間揉む場合は時間を長くかけても問題ありません。良い原料ほど低温でゆっくり揉むことが大切です。ただし、大概の工場では粗揉工程と同時間のため、工程バランスを考慮して上記の標準時間内で適度な熱風を与えて乾燥させるのです。
10-2-2.毎分乾燥量
毎分水分乾燥量
上のグラフの角度から乾燥速度がゆっくりになっているのがわかりますね。
毎分水分乾燥量で見ると、わかりやすいですよ。
茶葉の水分拡散速度が遅くなるから、乾燥速度もバランスをとってゆっくりにします。
ここでも茶温としとりを守るのがたいせつなんだね。10-2-3.中揉の効果
前ページ「中揉の目的」でお話ししましたが、中揉工程はお茶の色やツヤに大きく影響します。色については、茶温をあげないことが大切。もうひとつ、お茶にツヤが出るのは、お茶の細胞膜にセルロースというワックスのような成分があって、それが中揉工程で表面に出てくるから。その成分が乾燥したときに表面に多く出ているとツヤのあるお茶ができます。だから、この100%から32%前後まで乾燥させる中揉工程でしっかり揉むことが、ツヤを出すためにも重要なのです。
次は中揉の前半、中揉み機の実践です。 まずは、『熱風温度と風量』から。 |
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