第7回粗揉-2 『茶温としとりを守って粗揉』 |
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7-3-1.熱風温度の決め方
では、熱風温度はどのように決めるのですか?
湿り空気線図「湿り空気線図」を使います。これはお天気(空気の状態)と熱風との関係を示した図で、これを使って、みなさんが工場で測定した乾湿球温度と設定したい茶温をもとに熱風温度を決めることができます。湿り空気線図とは、乾湿球温度から絶対湿度を出し、目標茶温にするための熱風温度との関係を表わした図です。
たとえば、乾球の温度が20度で湿球の温度が16度の日に茶温を34度にするには、それぞれのラインが交わる点から熱風温度の軸へと線をたどれば、「熱風温度93度」という設定温度がわかるしくみになっています。
7-3-2.湿り空気線図の見方
湿り空気線図は、2つの条件がわかれば座標がわかるから、表上で熱風温度がわかるしくみになっています。
[7-3図1:湿り空気線図の示す値] 左図の赤い点(A)は、下記測定値の内2つの条件がわかれば決まる。つまり、乾湿球温度がわかれば、絶対湿度他の5つの条件もわかる。 乾球温度(イ)…℃
湿球温度(ロ)…℃
露天温度(ハ)…℃
絶対湿度(ニ)…kg/kg
エンタルピー(ホ)…kcal/kg
相対湿度(ヘ)…%
比体積(ト)…m3/kg
[7-3図2:湿り空気線図の見方] 湿り空気線図は、湿球温度と乾球温度の交差点(A点)から右方向に水平に移動して、設定茶温の線と交わる点(B点)を求め、B点から熱風の軸へと移動すれば熱風温度を求めることができます。
湿り空気線図は詳細な情報までひとつの図でわかるようにしたものですから、見方が少しむずかしいです。測定した乾湿球温度から簡単に茶温と熱風温度を選定できる「粗揉工程熱風温度調整表」という一覧表がありますから、こちらを使うのもよいでしょう。
粗揉工程の熱風温度調整表(茶温34℃) ※この表は茶温34℃の場合です。
乾湿球温度や絶対湿度と熱風温度の関係が湿り空気線図に詰まっているのですね。
熱風温度は毎日設定しなおすのですか?
絶対湿度が変化する夜間(夜露がおりる頃)に製茶する場合には、その都度計測して算出する必要がありますが、日中は絶対湿度が大きく変化することはないので、変える必要はありません。
茶温があがってしまったときは?
熱風温度の計算が正しければ茶温上昇の原因ではないということですから、茶温が上昇したからといって熱風温度を下げるというのは解決になりません。7-1で説明したように、熱風量その他の原因をさがしましょう。
次は 熱風量の調整です。 |
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