You are here: TOPPAGE 歴史探訪案内 昔ばなし 第3回 無間の鐘  

昔ばなし

無間の鐘

聖武天皇の天平の頃(729〜748年)のこと。
小夜の中山の東、菊川村に一人の仙人が住んでいました。
あるとき、不動明王を信仰して毎日お祈りをしていたこの仙人は、村の人々からお布施をあつめて、淡ヶ嶽(粟ヶ岳)の頂上に大きな釣鐘をつるしました。
この淡ヶ嶽の釣鐘の音は、広く遠州に響きわたり、評判になりました。誰が言いだしたのか、
一つつけば、事故や災難をまぬがれ、
二つつけば、病気にならず、
三つつけば、家内安全、
四つつけば、運が開けて出世する、
五つつけば、子宝に恵まれ、
六つつけば、幸運がつづき、
七つつけば、大金持ちになる、
などというご利益が伝えられました。

このうわさを聞いた村人たちは、われさきにとこの寺へおしよせました。
ところが、この山の道は険しく、みなが争って先を急ぐために、途中で谷底へ落ちてケガをしたり、死ぬ人まで、たくさん出てきました。
この姿を見た寺の住職は、人々の欲の深さにあきれ、 「この鐘をつくった仙人の願からはずれる―」と、鐘を井戸の底深く投げ込んでしまいます。
それから後、この井戸を「無間の井戸」といい、今も粟ヶ岳の頂上に残っています。

無間の鐘

 

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