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シバタ塾
第13回 乾燥・荒茶『乾燥と荒茶の保存』
13-2.荒茶乾燥は4〜5%でストップ

13-2-1.変質させない出し度

shiba
乾燥機の出し度は4〜5%ですね。荒茶を含水率4〜5%で保管することには、意味があるのですか?


6%以上水分を含んでいると茶が傷んでしまいます。ところが、4%以下まで水分を取ってしまっても「過乾燥」といって変質してしまう。そのため4〜5%がいちばん適当なのです。
昔から「生きたお茶を保存する」と言って、変質しないよう保管するには含水率5%がいちばんいい。
それから取引上の理由もありますね。目方で取引を行うため、含水率は決まり事のひとつです。

 

13-2-2.過乾燥とは

shiba
過乾燥について、もう少し詳しくおしえてください。


含水率4%未満のお茶と4〜5%の荒茶とでは、水分の取られ方が違います。
4〜5%ならば、お茶の分子構造はそのままに、含まれている水分を取り除いていますが、4%未満まで水分を取ると、結合水(茶の分子構造に含まれる水分)まで取ってしまいます。すると、そこへ酸素が入って変質の原因となる。お茶を安定した状態で保管するために4〜5%が良いのです。


13-2-3.乾燥度の確認

shiba
微妙なのですね。できあがった荒茶が4〜5%かどうか、確認する方法はありますか?

 


塩化コバルト試験紙
※塩化コバルト試験紙の入手は薬局などで。


乾燥機に含水率センサーがついている工場はチェックされますね。含水率センサーが無い工場でも「塩化コバルト試験紙」で色見本と照合すれば、含水率をチェックできます。

コバルト試験紙は右図のように含水率によって変色します。

shiba
お使いのブラウザによって色の見え方が異なりますので、試験紙を使う場合は色見本も入手しましょう。
※参考:茶業試験場要報第一号
『製茶乾湿簡易検定法』大正13年12月
農商務省茶業試験場芝時孝氏研究発表


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仕上火入を考えた荒茶乾燥についてです。

 

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