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シバタ塾
第8回 粗揉-3『粗揉の速度と強さ』
8-4.粗揉機の出し度8-4-1.時間は大きく影響する
粗揉機の最後の回です。粗揉機を出すタイミングについておしえてください。
表面部と中心部の含水率比較
揉捻が軽視されていたころには、かなり水分を取ってしまうまで粗揉機の工程を行っていましたが、現在の製茶では、「揉捻するのに最適の状態で粗揉機から茶葉を出す」と考えられています。 その最適なタイミングを説明しましょう。製茶工程には、茶葉がどんなに力をかけても壊れない瞬間が2回あります。その1回目が含水率が100%位のときです。やわらかくてしなやかで、わずかに水気がある状態。ここで粗揉機から取り出せば、揉捻で揉むのに最適の状態といえます。このラインを限界含水率100%といい、右図のように表面乾燥していたのが、葉中心の水分(芯水)と茶葉表面水分とがイコールになるときが取出すタイミングです。
限界含水率100%を過ぎると、グラフの曲線が変わりますね。
しとりを保って表面乾燥していたのが、限界含水率を過ぎると内部乾燥期間に入り、芯水が残って表面だけが乾燥していく上乾きの状態になってしまいます。限界含水率まで粗揉機で乾燥させて、中心の水分を揉み出す揉捻の工程に移すわけです。
品質のためにも作業能率を高めるためにも、限界含水率で取出すのが適度なタイミングということですね。限界含水率を実際に自分で確かめるにはどうしたらよいのですか?
この取出し状態は、自分の手で触って覚えること。時間設定などは数値を計算で出してほぼ正確な工程設計をしているわけですが、製茶は生の葉を取り扱う仕事ですから、最適な取出し状態の茶葉をご自分の手で覚えましょう。
実物でおしえていただきたいところですが…。触ったカンジをおしえていただけますか?
8-4-2.限界含水率を指でマスターしよう
指で押して水分チェック粗揉機からあがった茶葉をひとつまみ掴んで、人さし指と親指で2〜3回押してぬめるような感じです。この指で押す強さは、揉捻のおもりと関係します。おもりが重ければ強めに押して、揉捻にかけてちょうどいい状態になっているかを指で確認します。
練習しなきゃ。確認して練習するにはどうしたらいいですか?
第7回で『含水率の測り方』をやりましたね。その方法で秤を使って、触ってみた茶葉がどのくらいの含水率かを計測してみれば、手の感触と葉の含水率を知ることができます。ぜひやってみてください。
[含水率の計測のしかた]
1.まず、原葉を10〜20g秤で測ります。
2. 電子レンジで7〜10分加熱して乾燥させます。
3.乾燥後の葉を計量し、重量減を算出します。
重量減から次の式を使って含水率を算出します。
粗揉の出し度は触感でマスターしましょう。 第9回では揉捻をおしえていただきます。 |
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主催:カワサキ機工株式会社