第6回粗揉-1 『粗揉工程での乾燥と実践』 |
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6-5-1 粗揉機の機構と回転
粗揉機の機構はどうなっているの?
粗揉機内部右の写真が揉み手と葉ざらい手です。葉ざらい手は茶葉をキャッチして回転方向に葉を放り出すのが役割。放られた葉が落下してきたところでまたくわえこむように動き、これが回転速度と関係するのです。放られた茶葉は遠心力によって外側の茶葉は遠くへ、中側の茶葉は近くへと落下します。 この撹拌がだんだん進むと、茶葉は乾燥して収縮し、比重が重くなって葉ざらい手の先端に乗った茶葉が三角板付近で下に落下するようになります。
揉み手はどう動くの?
揉み手は、茶葉が落下する瞬間と同時にシャフト真下に移動することで揉圧を行うのです。このタイミングを合わせることが最適回転数ということです。
[Point1]粗揉機内茶葉の観察と調節 1.機内の茶葉のかくはん状態
2.茶葉の落下位置
3.揉み手の揉圧状態これらを観察しながら粗揉機を調節しましょう。 6-5-2 最適回転数の計算
お茶が落ちたときにちょうど揉み手がくるようになるように、回転数を算出します。
粗揉機回転数の計算式 | ||
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N=回転数(rpm)
X=揉手移動角度 Y=揉手と葉ざらい手の開き角度 T=茶葉の落下時間(秒) S=茶葉の落下距離(m) D=胴の内径(m) (※S=胴内径を代入) |
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上記の式を要約すると、以下のようになります。 |
回転数計算値のための図
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この標準回転数の計算式に、ミル芽または深蒸しの場合は速めに回転させ、またコワ葉では遅くします。原料による回転数の調整には、次の表を参考にしてください。
回転数の使用標準
可変粗揉機 ミル芽(一番茶) 硬葉(二・三番茶) 粗揉第1工程 N+4 N+2 粗揉第2工程 N±0 N−2 粗揉第3工程 N+4 N−6
粗揉機所要寸法と回転数
35k 60k 90k 120k 180k 胴内径D.m 0.908 1.032 1.146 1.294 1.294 葉浚開度 Y 128 110 112 105 105 回転数 r.p.m 35.6 39.9 37.0 37.2 37.2
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