特集6.土壌
4:土質土性
土壌のチェック
感覚的なチェックでも

参考までに、茶園に利用されている土壌について簡単にご紹介します。

6-1-5でお話したように、土壌が荒茶品質にあたえる影響は解明されていません。しかし、さまざまな茶園を観察してきて、体験的に感じることはあります。生産者のみなさんにとっては、自分の茶園の土壌を十分に理解して、よりよい生産をするための茶園管理を継続していくことが大切です。とくに化学性については指導機関などで診断して改善対策の指導をされていますが、物理性の対策が乏しいように思います。施肥削減のこれからの茶業では、土づくりに積極的に取り組んで吸収率を高めることがとても大切です。

基本編ロゴ 土壌を感覚的にチェックする


炭のように黒色。手で触ると落ちにくく細かい粒子があるのがわかる。
太くて白く長い根がよく伸びる。

■4-1.富士火山灰土壌

富士山ろく周辺は火山で噴出したものが風化した土壌です。
粒子が細かく表土は黒色で比較的柔らかい土で、採取した所では硬度15〜18ぐらいでした。
有機的な火山灰土壌と腐食の少ない火山灰土壌とがあって一概には言えませんが、一般的に腐食が多く保水性が高い。土性は壌土から埴壌土に属して、pHは4程度で酸性が強い土壌。リン酸吸収係数が2,000以上ありますが、アルミナや鉄などと結合し不溶性の燐酸が多く可給態の燐酸が少なくなります。改善するには堆肥を投入したり、酸性を矯正し、また、可溶性リン酸や重焼リンなどを施用する方法がとられています。
  間隙が大きくてそこを雨水が通り、細かな粒子を下層へと運んでいる場合があります。その粒子が長い年月で下層に蓄積(沈殿)して「マサ」と呼ばれる不透水層をつくっていることがあります。また下層に溶岩が固まった不透水層(固結層)がある場合もあり、これら不透水層が浅い位置にあると根の伸長を阻害します。


赤く粘質の土。
根は太く短い。

■4-2.赤黄色土壌

静岡県牧之原周辺の土壌は赤黄色土で、牧ノ原系統、金谷原系統、大沢原系統などに分類され、それぞれに土質土性が違います。全般的な特徴としては、粘質でち密になりやすく、赤黄色。
一般に赤黄色土は下層土の物理性が不均衡な状態のものが多い、そのため根系分布が浅く根量も少ない例が多い。十分な耕起と有機物の投入は欠かせない状態です。牧之原台地は明治初期に開墾されてから人力による管理によって改善され、今では有効土層が深くなっています。しかし、下層土の改良は容易でないため部分的に不良な状態の茶園があります。

 

基本編ロゴ 各県の施肥基準


サラサラした土壌
左:有機物を混入した砂質土。腐食が進むと黒色に近づく。
右:普通砂質土

■4-3.砂質土壌

水蝕風蝕によって砂が集積した土壌です。粒子が大きくサラサラしていて、保水性、保肥力が非常に弱い。海岸線や河川流域に近い場所に多く、静岡県では相良、浜岡、御前崎などにあります。
砂質土壌は透水性が高く、雨によって肥料養分の溶脱が著しく、また、干ばつ期の水分補給が十分できないため被害を受けやすい土壌です。従って改善するには、堆肥や刈草などの有機物を出来るだけ多く投入して、土を肥やす努力が必要です。砂質土壌の茶園は早場所の地域が多く、経済的には有利な所です。地域性を生かし更に品質向上を図るため土壌改良を徹底して行えば高位生産が期待できる地域と考えられます。

 


■4-4.その他の土壌

●黒ぼく(非火山性)
火山灰土壌に近い特徴をもっていて、部分的に存在する土壌(広大な面積ではない)。静岡県内では島田、金谷、磐田等に点在している。炭のように黒い色をしている。

● 関東ローム層
火山灰土壌に由来する土壌で、富士山ろくの土壌よりもさらに風化の進んだものです。腐植を10%以上含む植壌土〜軽植土でややち密な土です。リン酸吸収係数は2,000以上で塩基類の欠乏しやすく、腐植が多いため保水性が強く低い場所の茶園は過湿になりやすいのが一般的な特徴。改善するためには有機物の供給、深耕あるいは苦土石灰などの改良剤を入れるなどの管理が必要です。


■4-5.土壌の差違を表す基礎データ

茶の品質には土壌の化学性が影響しますが、茶樹の生育には物理性が大きく関与します。ですから、それぞれの土壌について化学性を調査したデータをもとに解説することはあえてしません。みなさんが自分の茶園を判断する際には、毎年農協などで行われる土壌診断の結果を参考にしてください。(ひとつの指標または一例として基本編に掲載しておきます。)

基本編ロゴ 土壌別の科学性の一例
←前ページへロゴ
 

特集6もくじ 6-1:土のはたらき6-2:土の中の変化6-3:理想の三相分布6-4:土質や土性のこと

 

お気軽にご意見ご感想をお寄せください。

お茶街道文化会
主催:カワサキ機工株式会社

ochakaido@ochakaido.com