基本編ロゴ[生理生態]8.根茎分布・深耕の効果
根系分布(再掲載)

◆C017.根系分布

根系分布とは、根の水平・垂直方向の分布のことです。土壌が柔らかく三相構造(固相・液相・気相/土・水・空気)が良好であれば、根が広く深く分布して樹勢のいい茶園になります。逆に土壌の緻密(ちみつ)化が進むと、活発にはたらく白い細根が少なくなり、木化根が多くなります。


◆C018.畦間土壌の深耕と細根の生育

土を柔らかく保つために、 平坦地では8月中旬〜9月月上旬、北部山間地8月中旬〜下旬(断根が極めて少ない場合)頃に畦間の深耕を行います。深耕によって膨軟性、透水性、通気性などが改善され、再生根が出て、固体の光合成が最も活発となる秋にはたらく根となります。
次の表に示されるように、深耕区は深くまで細根が分布しており、細根の全体量もとても増えています。細根の生育には、深耕して柔らかい土壌を保つことが大切です。そして、柔らかい土壌を維持するには、土壌の耕起に加えて有機物の投入や微生物の増殖が効果があります。それには敷き草、刈り落とし材、堆肥などをすき込むのが有効で、土壌改良剤も同時に使用します。今のところ機材や投資面の課題がありますが、静岡県での試験結果から畦間混層耕起は土壌改善に有効な方法です。

細根の深さ別分布
深さ
(cm)
トレンチャー
深耕区
耕耘機
中耕区
不耕起区
根重 割合 根重 割合 根重 割合
0~10 45.4g 20% 44.8g 37% 37.9g 47%

~20

49.3g 22% 31.7g 25% 21.5g 27%
~30 66.5g 29% 23.4g 19% 10.9g 13%
~40 44.4g 19% 12.0g 10% 6.1g 8%
~50 22.4g 10% 10.1g 8% 4.2g 5%
合計 228.0g 100% 122.0g 100% 80.7g 100%
根重比 283% - 151% - 100% -
風乾量9,処理4年後(61.秋),熊本茶試
[基本編]畦間混層耕起

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