序章-3:園相を見る
-理想イメージと基準と着目点- |
●03-1.「園相がいい」とはどういう茶園か 葉力がある、園相がいい。茶業者がよく使うことばですが、具体的にどういうことか。園相を見るには、葉が活発な状態であれば、根や茎も健康だと考えられますから、一目してわかる葉の色、大きさ、量で見ます。葉が大きく元気のいい明るい緑色で、着葉密度が高い(葉層が厚い)こと。つまり、1枚1枚が健康な葉で葉面積が広ければ、それだけ光合成能力の高い、元気な茶園だということです。そして私としては、茶樹の葉の付き方にも着目してほしい。 葉の付き方は、粗に付いていたら能力が低いし、密に付いていたら日陰になる葉があってよくない。1枚1枚健康な茶葉が、日光を浴びるように付いていることが大切なのです(03-3)。 |
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●03-2.再生能力の高い茶園をつくる 私の言う再生能力とは、芽を採ったり枝を切ったり根が切れても、その後新しいものが生まれてくること。高い生産能力をもちながら、復活する力を持っていることを言います。根で栄養水分を吸収し、その栄養を十分に発揮するには、葉が光合成を行うのに最適な状態であること、つまり地上部と地下部(葉や茎,根)のバランスがよい状態ではじめて再生能力の高い茶園ができます。 一年間でお茶を何回も摘採したり整枝したりすると、その処理の後にどんどん芽が出てくる。そういう力のある茶園がほしいですね。 そのためには、よく分布して活発な根が養水分を吸収し、葉が最良な状態で光合成を行い、それらのバランスがとれていることが必要です。そういう状態にお茶の樹をもっていってあげるのがみなさんの茶園管理です。 再生能力の高い茶園をつくるには、茶園を取り巻く環境を十分に理解して、葉、根、茎が活発にはたらくたくましい茶樹を育てることです。それには茶樹の葉・根・茎各部位のはたらきについて知識をもつこと。そして、根は整枝や摘採の影響を受けたり、葉が行う光合成、蒸散・呼吸などのはたらきが根の吸収力に影響したりしますから、相互関係の知識も必要です。それら茶園管理をこの木村塾で徐々に勉強していきましょう。 |
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●03-3.園相の根拠は光合成能力の高さ 光合成ではたらくのは、摘採面から5cmくらいの若い葉です。だからこの部分の葉がとても大切。そして光合成が活発であることは、根のはたらきにも関係してきます。以下は葉を見るときのポイントです。
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葉のつき方
葉の大きさ 葉面積 |
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●03-4.園相を見る目をもつ 葉力のある茶園、園相がいい茶園を見る目をもつこと。そのためには、自分の畑だけでなく優秀な茶園を見る機会があれば積極的に見て、自園を客観的に比較すること。自園にとって最適な茶園管理をしていくためには、自園がどのような状態なのか冷静に判断する能力が必要だからです。他所の園を見る機会をつくれる日ごろの交流もまた、茶園主の能力ということですね。 |
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