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人物クローズアップ第11回[茶]
『製茶機械発明家高林謙三』たかばやしけんぞう |
天保三年〜明治三十四年
(1857−1941) |
2000/03/15
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19世紀末期、産業革命によって動力の活用が盛んとなった頃、日本の主な輸出品目は生糸と緑茶でした。そのため、緑茶の生産に資産家が財を投じて参入し、大量に生産するために機械化が業界から望まれていました。この時代に、人生を賭けて開発に没頭した製茶機械開発の先駆者が高林謙三です。
生い立ち 茶経営の乗り出す 製茶機械の特許取得 謙三は、明治18年7月1日、日本に特許条例が施行されるのを待って直ちに出願し、同年8月には生茶葉蒸器械に専売特許証第2号が、焙茶器に第3号、製茶摩擦器械に第4号が下附されています。ちなみに、専売特許証第1号は、宮内省技師の発明した軍艦塗料なので、いわゆる民間発明家としての特許第一号は高林謙三の作品であるといえます。 この他、明治18年11月に改良扇風機で特許第60号を、明治19年3月には茶葉揉捻機で特許第150号を取得しています。 自立軒製茶機械の失敗
茶葉揉乾機の発明 自立軒製茶機械が失敗したうえ類焼で自宅を焼失した謙三は、明日の暮らしにも事欠く中にあっても、機械の発明を続けていきました。 明治26年、農商務省農務局のはからいで、染井の藤堂屋敷内に広い研究用製茶工場を設けました。そして、明治28年、手揉みの動作を機械内部に備え付けた「茶葉揉乾機」を思いつき、試作を重ねて明治30年に完成させました。この機械は 粗揉機として発売されて各地で予想以上の好評を得て注文が相次ぎ、謙三はうれしい悲鳴をあげるほどの忙しさとなりました。この茶葉揉乾機は、明治31年12月、茶葉粗揉機として特許第3301号を取得しています。
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謙三、菊川で永眠 |
*参考文献 『高林謙三翁の生涯とその周辺』 森薗市二著/静岡県茶業会議所 『日本茶業発展史』 大石貞男著/静岡県茶業会議所発行 『狭山茶業史』 埼玉県茶業協会刊 『みどりのしずくを求めて』 青木雅子著 『菊川町茶業史』 菊川町茶業組合刊 *画像提供 静岡県茶業会議所 *画像及び文書の無断転載はお断りします。
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