3月号 6.春整枝
-摘採葉に混入させない!-

春整枝

  • 秋整枝よりも浅めに
  • 萌芽の50〜60日前
  • 越冬芽を切らないこと


3-6-1.春整枝とは

茶樹の生育状況や寒害の被害程度によって春整枝を行います。また、寒害にあいやすい立地の茶園では、秋整枝をしないで冬を越し、春整枝を行います。 春整枝の時期は、推定萌芽期よりも50〜60日前とし、南部では2月下旬〜3月上旬、中山間地では3月上旬〜中旬です。刈る深さは秋整枝よりも浅くし、越冬した芽を切らないように注意します。深くすると、芽数を減らして減収、摘採時期の遅れにつながります。

ロゴ ■3-2寒害の判断と処置


3-6-2.春整枝の効果

春整枝の場合は、前年の最終芽を残したまま越冬します。活力ある若い成熟した葉が残った状態で秋冬を迎えることで、養分生成面でプラスにはたらきます。また、春に表面の葉を落とすと芽数が減りますから、秋整枝に比べて芽の勢いが良くなります。 春整枝は、摘採時期を遅らせるコントロールに利用する場合もあります。


3-6-3.寒害を受けやすい茶園での注意点

北部や山間地で秋整枝をしなかった茶園では春整枝を行いますが、越冬した芽が徒長している状態で適期よりも早めに春整枝を行うと、枝や葉で被覆されていた耐寒性の弱い葉がいきなり露出して寒害にあいやすくなるので、整枝時期には充分に注意してください。

 


3-6-4.再整枝(化粧ならし)は極浅く

再整枝の目的は、品質を悪くしないことです。一番茶摘採の際に遅れ芽等が混入することを防ぐために、摘採面を整えておく作業です。ここで少しでも深くすると芽数の減少、減収につながりますから、絶対に深く刈らないこと。摘採面から不揃いに出た葉だけを刈り落とします。再整枝の時期は、春整枝と同様に摘採の50〜60日前が適当です。

 

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