3月号 2.寒害の処置
-状況を見極め適期に適切な処置を-
 


3-2-1.被害葉をあわてて刈らない

最初に念頭に置くべきことは、摘採収穫時に被害葉を混入させないこと。被害の程度を大きく勘違いして、生きている摘採芽まで刈り落としてしまったら、経済的なダメージは計り知れません。寒害にあった茶葉を見苦しいなどの理由でむやみに整枝しないでください。その枯れ葉をあわてて刈ってしまうと、整枝後に露出した弱い芽が被害にあう場合もあります。被害葉だけを除去する方法をとるには3月以降が整枝の適期であり、また、被害葉が生きている葉や芽を守るはたらきをします。これらの理由から萌芽期前の寒害にあった場合、被害葉をそのまま付けておき、3月上旬に処置を行います。

 


3-2-2.葉枯れ(赤枯れ・青枯れ)処置のし方

被害程度によって、次のように処置を行います。 葉枯れの場合、3月上旬頃になると、被害にあった枯れ葉だけが乾燥し収縮して摘採面上に立ちあがってきます。立ちあがってきたら芽を残して浅く整枝すれば、摘採芽に枯れ葉が混入しにくくなります。

3-2-3.枝枯れの診断と処置

枝枯れの場合は、その枝から先はすべて細胞が死んでしまいますから、被害のもっとも深い部分を探します。右図のように1.2の順に枝を切って断面を見て、少しでも赤く変色していたら「枝枯れである」と判断します。徐々に下部の枝を切っていき、みずみずしい状態の部位を確認したらそこで剪枝します。

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