3月号 1-b.寒害とはどういう被害か
-寒害の種類-


3-1b.寒害の種類

寒害は、その被害症状によって次のように分類され、その症状や被害程度によって処置の仕方が違います。

赤枯れ
(凍害)
葉が耐えられる低温の限界を越え、葉が凍結して葉の細胞組織の一部または全てが死滅すること。被害時に茶園が赤褐色に見える。
青枯れ
(寒干害)
幹の一部が凍結し、葉に水が補給されなかったり、乾いた強風で葉から水分蒸散が促進されて樹体内の水分不足が起こり、茎や葉が枯れること。いわゆる脱水症状で、風が当たるところに青枯れの被害が多い。ドライフラワーのような状態で被害時の茶葉が青白く見えるが、時間の経過や雨で酸化し、赤く変色する。
落葉
(寒風害 )

物理的な落葉の被害を寒風害といい、とくに幼木園に起こりやすい災害です。寒さによって葉が細胞外凍結している時に風を受け、葉柄(ようへい)部分にヒビが入って落葉する場合が多い。表面の成熟した最も活力ある葉が落葉することは、その後の茶樹生育に大きく影響し、芽の生育も悪くなります。

寒風害を受けやすい場所

枝枯れ 枝が凍結して枝の細胞が死んでしまうこと。先端部の若い枝は水分が多く組織が軟弱なため被害にあいやすい。
幹割れ
(裂傷型凍害)
急激な気温低下によって幹や枝に裂傷が生じる被害で、幼木園での被害が多い。枝の細胞が凍結して水分の通りが悪くなることから起こり、軽度の場合は鮫肌状になり、重度の場合は被害部分がふくらみ、ふくらんだ部分は一月ほどで剥皮(はくひ)し、両端にイボ状のイゴウ組織が見られる。冷気のたまる茶園で起きやすいので、低地の茶園や幼木園では留意すること。
基本編ロゴ 冷気がたまりやすい場所
寒風害を受けやすい場所
細胞外凍結と細胞内凍結
寒害と自然仕立てについて

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