3月号 7.[改植] 幼木の植え付け
-自然なかたちに植えるのがコツ-


改植園では、3月〜4月上旬の一番茶前時期に苗の植え付けを行います。この時期に行うのは、活着と生育の面で最もよい時期だからです。

ロゴ ■2-5.植え溝のつくり方


3-7-1.植え付ける前に

苗を選ぶ(普通苗の場合)

普通苗を植え付ける場合は、二年生(1年6ヶ月・60〜80cm)の苗を植えます。苗を入手するとき、着葉量が多く裾の方にも葉が付いていて、茎が太く、根量が多く、木化根が2〜3本あって根が30cmくらい伸びた良い苗を選ぶこと。植え付け後の剪定をした後に、葉がしっかり残る苗を選びましょう。

準備するもの

移植ゴテ、剪定はさみ、潅水用具、敷き草(ワラ)、ビニルフィルム(マルチ)

保管と輸送の注意

苗木を風当たり、日当たりのよい所に放置しないこと。活着が悪くなるのを防ぐために、仮植えしておくか、濡れゴモで包んでおきます。また、茶園への輸送時には、風で水分が蒸散するのを防ぐために仮剪定をしておきます。


3-7-2.植え付けの手順

1. 植え溝に潅水し、水が引けたら植え付けをはじめます。
2. 苗の根が自然な形になるように注意して植え付けます。苗は良いものから順に植えます(悪い苗は仮植えしておく)。
3. 苗圃にあったときに地平であった位置が同じになるように、覆土後に土が沈むことを考慮して多少(1〜2cm)深く植え付けます。深植えにならないよう注意すること。
4. 植え終わったら潅水します。潅水によって土と根が接触し、水分補給が行われて活着がよくなります。
5. 水が引けたら覆土し、株元に集中させて厚く敷きワラを敷きます。(10aあたり800kg程度)
6. 地表面から15cmくらいの位置で剪定します。剪定は活着を落とさないことと、側芽を出すことを目的に行います。植え付けたその日に剪定してください。
植え付けて1ヶ月程度で活着します。

 


●3-7-3.定植時の剪定の仕方

定植時の剪定方法は「頂芽優勢」といい、強い枝を切ることで良い側芽を出します。地表面から15cmくらいの高さを目安に、10枚以上の葉を残すように剪定します。
年内の成長は剪定後に残した葉の枚数で決まります。かといって剪定は重要なコントロールですから、葉を残すためにも苗選びが重要になってくるわけです。


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