9月号 3.秋整枝の深さ
-適切な位置を判断して良い芽を出す-
秋整枝の基本は8月号をごらんください。


●9-3-1.秋整枝の深さ

秋整枝の具体的な深さは、「最終摘採の位置から何センチのところか」という表現をします。浅め=摘採面から5cm〜6cm、深め=4cm〜5cmの位置(高さ)で刈ります。もうひとつの見方として、「何節残すか」というのもあります。平均的な最終芽の節で、浅め=3節、深め=2節を残します。

※最終芽とは最終摘採後に出た芽のことです。

 

基本編ロゴ 秋整枝の深さと時期が一番茶に及ぼす影響


深さの決め方

●9-3-2.秋整枝の深さを判断する

整枝の深さを変えることによって、頂芽(成長点)がカットされる率がちがってきます。成長点カットによる側芽形成作用を利用して、翌年一番茶の芽数をコントロールするのが秋整枝です。

具体的には、深めの整枝は頂芽をカットされる割合が高くなるため、一番茶収量構成は側芽が多くなります。浅めに整枝した場合はカットされる割合が少なくなるので、頂芽の多い収量構成となります。8月号でお話しした判断要素から、自分の茶園に適した深さを判断します。

最近、高温干ばつの影響で栄養状態の良くない所が多いようです。毎年同じ位置で行わずに、茶園を観察して最終芽の生育をみながら判断しましょう。

 

深く整枝 浅く整枝
深く整枝すると、整枝刃にかかる芽が多くなるため側芽が出て、生育が良い場合は芽数が増える。   浅く整枝した場合、カットされる芽の確率が少なくなり、徒長した芽以外は頂芽が出るので芽数は増えない。
ロゴ [8-3-4]秋整枝の判断要素とは?

●9-3-3.生育良好茶園と生育不良茶園

最終芽がよく伸びている樹勢の良い茶園は、浅く整枝しても多くの芽が整枝されます。その場合は均一で良い側芽を得ることができます。
生育不良の茶園で深く整枝すると芽数が増えてしまい、翌年一番茶に有効でない小さな芽をつくることになります。芽数が多くなっているようならば、浅めの整枝にして頂芽を多くするようにします。

生育良好茶園 生育不良茶園
基本編ロゴ 生育良好な最終芽の芽の出方
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9月号もくじ 9-1:仮整枝 9-2:秋整枝の時期9-3:秋整枝の深さ9-4:秋整枝の注意とテクニック

 

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主催:カワサキ機工株式会社

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