●5-5-1.二番茶後の整枝の時期と位置
二番茶後の整枝は、遅れ芽を取り除いて三番茶の芽をそろえることが目的です。ですから、整枝時期は「遅れ芽が出揃ったとき」。南部地域や気温が高く推移した場合は早く進み、北部や山間地など低温の場合は時間がかかります。二番茶摘採から、およそ7〜10日経過した頃を目安に、茶園で遅れ芽の出揃いを観察して、整枝時期を見定めることが必要です。
整枝位置は、二番茶の摘採位置と同じ高さにします。それよりも深くならないように。均一な深さで行います。
●整枝の深さと芽数の増減
●5-5-2.早摘み・浅摘みの弊害を解消
早摘み、浅摘みをすると品質が良いものが採れますが、遅れ芽が多くなるという弊害があります。その理由は、二番茶の段階ですでに均一化されていないため、刃にかからない芽があとから出てくるからです。さらに、一番茶を早摘みすると、二番茶、三番茶の生育が不均一になります。この遅れによる不均一を解消するために、二番茶後の整枝を行います。
また茶園が衰弱していたら、遅れ芽を採らずに葉を稼いでそのまま秋を迎えて樹勢回復につとめます。
静岡県などでは県の指導によって、樹勢回復を考慮して三番茶を摘採しない茶園があります。しかし、三番茶を摘採しない場合でも、二番茶後の整枝は必要です。 それは、生育のムラを解消するため。秋整枝の段階で、枝の太さにムラが生じてきます。三番茶の芽をそのままにしておくと、秋には太い枝と細い枝が混在した状態になる。その枝の強弱は、翌年の一番茶の芽を不均一にする原因となるのです。このムラは、秋整枝では直りません。この夏の段階での整枝が、翌年の芽のための大切な管理作業なのです。
ただし、二番茶の摘採を後半に行った茶園については、遅れ芽が極めて少ないので放任してもよい場合もあります。
●来年の摘採に向けての心構え
5月号もくじ |5-1:今年 |5-2:二番茶|5-3:二番茶-2|5-4:更新|5-5:整枝|5-6:病害虫|5-7:干害|
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