8月号 2.秋肥の2回目と防除
-秋にはたらく葉を大切にする-


秋肥の施肥時期
7月号再掲

8-2-1.秋肥の2回目

9月には秋肥の2回目を施します(秋肥については7-7-1をご覧ください)。秋肥の2回目で注意することは、肥料の溶解です。1回目と2回目の間(20日間)に雨が降らなかった場合は重ね肥になりますから、濃度障害を起こさないよう雨が降るまで待つか、施肥後に潅水する方法をとります。

秋肥の施肥時期
肥料が分解吸収される(無機化する)ためにはある程度の日数を要します。勿論、肥料の種類や特性により差がありますが、有機肥料などでは40数日もかかります。根の機能が最も活発となるのは10〜11月ですから、肥効のピークが10月上旬に来るように逆算して施すのが理想です。冬が近づくにつれて日照時間が短くなり、茶樹が利用しにくい条件になってしまいます。
また、北部や山間地など秋が早く訪れる所では、秋肥を早め(9月初旬頃)に施します。 秋肥を遅くすると裂しょう型凍害の発生率が高まるという研究結果があります。冷気が停滞しやすい所や低温になりやすい立地条件の茶園では、秋肥を早めにしましょう。

基本編ロゴ JA夢咲の施肥事例

炭そ病
炭そ病
もち病
もち病
8-2-2.秋芽生育期の防除

この時期、来年の一番茶のために最も大切な茶園管理は最終芽の防除です。
最終摘採を終えた後に出た芽(最終芽)は、秋期の光合成で活発にはたらく大切な葉です。秋に成熟した葉で葉層を確保しているかどうかが、来年の一番茶を大きく左右します。病害虫の被害にあわないよう細心の注意をはらいましょう。
秋芽生育期は、チャハマキ、ホコリダニ、ヨモギエダシャクトリ、炭そ病、もち病などの発生時期にあたります。 降雨や気温の変化によって病害虫の発生消長が変化しますから、地域の発生情報を敏感にキャッチして適期の防除を心がけましょう。

また、今年のように高温に経過するとクワシロカイガラムシの発生が心配されます。 株の中を注意して観察し、早期に発見して適期の防除を行ってください。

基本編ロゴ チャハマキ
チャノホコリダニチャノナガサビダニ
炭そ病もち病
チャノキイロアザミウマ
ヨモギエダシャクトリ
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8月号もくじ 8-1:台風 8-2:秋肥2・防除8-3:秋整枝の意味8-4:秋整枝の基礎8-5:遅れ芽の影響

 

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主催:カワサキ機工株式会社

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