アトピーにお茶が効く！？

アトピーということばの由来は、「奇妙な」という意味だそうです。 現在多くの方がこの病気にお困りですが、アトピー性皮膚炎について全体像はよくつかめていません。そのため、さまざまな民間療法の情報が飛び交い、ウーロン茶、ギャバロン茶、ヨモギなど、”はっぱ系”の効能をお試しの方も多いようです。 今回ご紹介の「アトピーに緑茶が効く！？」は、まだ試験中の情報ですが、興味がある方は試してみてはいかが？

■アレルギーの原因を除く

　アレルギーや皮膚病を治すには、まずその原因を取り除くことからはじめなければなりません。とくにステロイドホルモン剤の副作用などに対する不安から民間療法にたよる方が多く、健康保険外の治療法として、食べ物や着るものなど、衣食住の指導を積極的に行っている医師もいます。
　「衣」の部分での原因としては、”化学繊維がわるい、天然素材が良い”と一概に考えてしまいがちですが、今では天然素材であっても、さまざまな化学処理が行なわれているのです。
　明治以前の日本人は、庶民が使った藍染をはじめ、シコン、茜、キハダなど、天然の草木で染めた繊維を身にまとっていました。「服用」ということばにあるように、布を肌につけることは、その成分が発汗などによって自然に身体に影響をおよぼすものであるといわれています。この成分が科学物質などの身体がイヤがる成分であれば、アレルギー反応の原因となるというのが、衣服が身体に与える影響。この繊維に含まれる成分として抗菌効果がある緑茶を使用してみたら―ということから、この緑茶染繊維が生まれました。

■緑茶がアレルギーを抑えるしくみ

　アレルギー反応にはいろいろな種類があります。主なものにはI型とIV型があり、残念ながらアトピー性皮膚炎がどれに属するかはわかっていません。 　アレルギーを抑える薬に抗ヒスタミン剤という薬がありますが、緑茶はこのヒスタミンが出ることを阻止する効果でアレルギーを抑えます。

　I型、アレルギーに対するお茶を飲ませる実験では、人間に換算すると５〜１０杯の緑茶で３０分〜３時間まで効果が現れました。IV型に対しても同様に効果が発見されています。この効果は、現在アトピー性皮膚炎の治療に用いられている薬のひとつであるヒドロコルチゾンと比較しても、かなり近いものでありことがわかっています。

■茶染め繊維の効果

　緑茶染め繊維の抗アレルギー効果について、静岡県立大学の杉山先生が実験した結果によると、ステロイド軟膏に近い炎症を抑える効果があることが発見されました。 下のグラフは、アトピー性皮膚炎を悪化させる原因といわれている黄色ブドウ状球菌について調べたものです。

試料：緑茶染糸５０％使用生地
（1993年　北里環境科学センター試験データ）

■お茶で染めた布の実験はつづく

　この緑茶染め衣料の抗菌効果について現在モニタリング調査、医療機関での試用などによって調査研究が行なわれており、実際に使った方からの回答が楽しみに待たれています。

参照『読むとお茶を着たくなる本』（社）静岡県茶業会議所　発行

●静岡県茶業会議所ホームページ「CHA茶CHA」

＊静岡県の茶業会議所では、お茶の商品開発事業として緑茶染め衣料をつくり、県内の百貨店や産直ショップで販売しています。
茶染め製品取扱店（平成９年１２月１５日現在）

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お茶街道文化会
主催：カワサキ機工株式会社