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お茶の習慣で花粉症を緩和
昨年よりちょっと早い春一番のニュースが各地から届き、梅の花も咲きはじめました。この季節になるとユウウツになる方たちといえば、花粉症のみなさんですね。今年の花粉はほぼ平年並とのこと。ヒスタミン剤を飲みたくない人は、ツボをおしたり、針治療にいったり、対策にご苦労なさっているようです。そこで、今回は、『お茶の習慣で花粉症を緩和』です。今は花粉症じゃない方も、立派な予備軍といわれる現代病。予防のためにぜひご一読を。
■アレルギーが起こるしくみスギやヒノキ、ブタクサなどの花粉に反応する花粉症。年間を通じてダニやホコリで鼻水鼻づまりに悩まされるアレルギー性鼻炎、ぜんそく、アトピー性皮膚炎などは、症状や原因は違ってもアレルギー症状が起こるしくみは同じです。
●アレルギー症状が起こる主なしくみ | ||
1. | 花粉やほこり、ダニなどが体内に侵入。 | |
2. | これら異物に対して、体内では免疫グロブリンE(IgE抗体)がつくられる。 | |
3. | IgE抗体は全身の、特に鼻や目など粘膜部などに多い肥満細胞に付着。 | |
4. | 再び異物が侵入してきたときに、IgE抗体がそれをキャッチして肥満細胞に伝える。 | |
5. | 肥満細胞が異物排除のためヒスタミンなどの化学伝達物質を放出。 | |
6. | 化学伝達物質が神経や血管に働きかけ、アレルギー症状が起こる。 |
■お茶の効果お茶の花粉症に対する効果って?花粉症に対する効果について、静岡県立大薬学部の杉山清助手らのグループから研究報告されていますのでご紹介します。
まず、ラットに花粉症の抗体を注射して、24時間後に緑茶、ウーロン茶、紅茶のそれぞれ抽出液を飲ませ、抗原を注射して実験。結果は、いずれにも花粉症など抗原抗体反応によるI型アレルギーを抑える効果が認められたそうです。ラットの体重1キログラムあたり120ミリグラムのお茶抽出液を与えると、アレルギーを50%抑えました。これは人間が通常飲むお茶の約10杯分にあたります。この効果は現在アレルギー治療に使われているトラニストという薬に匹敵します。
お茶のI型アレルギー抑制作用 |
Ig E抗体を皮内接種したラットに各種茶葉抽出物を経口投与した。その1時間後、抗原を静脈内に注射しアレルギーを引き起こし、お茶のアレルギー抑制効果を調べた。トラニラスト(現行の抗アレルギー薬)を比較物質として使用した。 |
作用の持続時間を比較すると、緑茶とウーロン茶は飲んで30分程度で強い効果を表し、1時間後に最も強く持続は約3時間ほど。紅茶は1時間ぐらいで強い効力を示し、効果は6時間後も効果が認められました。こうした効果はお茶の渋みの成分のカテキン類やカフェインが、肥満細胞からヒスタミンが出るのを抑えることによるそうです。
お茶の抗アレルギー作用の経時変化 | カテキン類のI型アレルギー抑制作用 |
150mg/kgのお茶抽出液を経口投与した。 | カテキン類およびトラニラストは100mg/kgを経口投与した。その30分後抗原を注射し、アレルギーを誘発した。 |
ただし、カテキン類は腸から吸収されにくいため、目を洗ったり、うがいをするなど外用の使用の方が効果的かもしれません。
■お茶の機能を活かすにはこのような効果は、江戸時代の医師人見必大が食物の好悪について記した『本朝食鑑』に、「煎茶に塩を少しばかり加えて、頻繁に目を洗うとはやり目によい」との記載があり、薬として日本に持ち込まれたお茶の効果は昔から伝えられ、昨今カテキンの研究により化学的に明らかにされつつあるものです。緑茶は現代の薬とは違いますから劇的な効果を期待できるものではありません。症状が出る前から無理なく楽しんで常飲し、アレルギーを悪化させる生活を避けることをおすすめします。
※参考
『飲むとお茶が飲みたくなる本』(社)静岡県茶業会議所
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主催:カワサキ機工株式会社