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お茶で血をキレイにする
今では死亡原因の多くを占めている心筋梗塞や脳硬塞。
昔は欧米人の病気と言われ、日本には少なかったそうです。これも食生活が欧米化してきたことが原因と考えられています。
ならば、食生活で予防が可能なはず。でも周囲を見ればおいしいものがいっぱいの現代。ついつい油っぽいものを食べてしまうのは本能だからしょうがない。そこで食後のお茶のはたらきについて、お教えしましょう。
■なぜ起こる?血栓症心筋梗塞や脳硬塞は、いずれも血管を流れる血液が固まって血液の流れが止まるため、心臓や脳の一部が壊死してしまうため起こる病気です。
血管は年齢とともに老化して硬くなります。でも血液がサラサラときれいに流れていれば血栓症は防げると考えられています。血液がサラサラでなくなるのは、血の中の血小板が固まるから。血栓症に対して医療で使われている薬は、この「血小板凝集抑制」の薬です。
■食生活での一次予防
北欧グリーンランドに住むエスキモーには血栓症が少ないそうです。その原因が彼らの食生活にあるとして調べたところ、魚やアザラシの肉に含まれるエイコサペンタン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などの物質に血小板凝集を抑制する作用があることがわかりました。 血液をきれいな状態にしておくことで、血栓症の一次予防をしておくことが、最も重要なことです。それには日常の食生活で血液の流れを良くする食物をバランスよく、おいしく続けることが有効です。 |
■カテキンが脂酸化を防止食用油を使ってから置いておくとネバネバしたり臭くなったりします。これは油脂が酸化することによって起こるもので、お茶にこの酸化を抑える抗酸化作用があることが認められ、現在食品工業で実用化が進められています。
茶カテキン類のラードに対する酸化防止効果(AOM試験、97.8度) | |
dlα-トコフェロール:一般的な抗酸化物質 ECg:エピカテキンガレート EGCg:エピガロカテキンガレート EC:エピカテキン EGC:エピガロカテキン |
生体内での脂質酸化抑制について実験が行われ、カテキンに過酸化油脂の投与によって起こるGPT*(肝機能検査の値)上昇を抑えるはたらきがあることがわかりました。
■お茶で血をサラサラにお茶の血小板凝集抑制について、製造方法が異なるお茶(発酵〜不発酵)について、調べた結果が下の表です。
これによると効果に差はありますが、どのお茶も普段飲むときの状態に近い条件で効果を示しています。
茶浸出液の血小板凝集抑制作用一覧 | ||||
血小板凝集抑制率 | 製造方法 | |||
不発酵茶 | 発酵茶 | 半発酵茶 | 後発酵茶 | |
50%以上 | 煎茶A* 煎茶B 煎茶C |
ケニア茶* | ||
50〜30% | 深蒸し煎茶 まっ茶 |
スリランカ (ディンブラ) アッサム (オーソドックス) |
中国色種* 台湾ウーロン茶 |
雲南プアール茶 |
30〜10% | 煎茶D まっ茶入煎茶 玉露 |
アッサム(CTC) | 中国水仙 中国鉄観音 | |
10%以下 | 青柳茶* 煎茶E ダージリン* | |||
茶葉1g/40ml 熱水/3分 |
これは、活性の強い煎茶Aが最も抑制効果が高く、この煎茶Aが他のお茶よりも多くカテキン類を含むため、このカテキン類が血小板凝集抑制にはたらいているものと考えられています。このカテキンのはたらきが、日常の茶の飲用で有効かについては、吸収、排出等、ヒト体内での作用についてさらに研究されることが必要ですが、日常の飮茶がきれいな血を保つ効果についての研究がさらに期待されます。
GPTはグルタミン酸ビルビン酸トランスアミナーゼという酵素の略。
肝臓の細胞が破壊されると、その細胞が血液中に出て血液中の値が増えてくる。
主に肝機能を調べる血液検査の値として使われる。
※参考
『読むとお茶が飲みたくなる本』(社)静岡県茶業会議所
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