4月号
2.摘採計画を立てよう
-茶の生態と労力・経済面から求める- |
摘採は、芽の熟度を基準に計画します。 1.トータル窒素量 2.現象=出開き率 3.開葉数 これら3つで判定し、この3つは、気象条件や気温に影響されます。 私は、上級なお茶を作れとは言いません。持てる資産(土地や茶樹)と費やす労力を最大限に活かしていい茶をつくるテクニックを身に付けて、競争力の高いお茶を作ってほしいと思います。 |
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茶の芽は、5枚(または6枚)の葉が開くとそれ以上開葉しません。すべての葉が開き終わって芽が止まることを「出開き」と言います。これ以降は、アミノ酸含有量が減少し、繊維の量が増えて硬くなっていきます。
そのため、摘採の時期と位置が生葉の品質に大きく影響します。
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作物的に見ると「出開き」「開葉」「収量」から収穫を判断しますが、 経済効果を考慮すると、収量と単価を見て決定する必要があり、摘採では芽の生育と経済性の両面を見ることが大切です。 茶園を観察しながら市場の動向に耳を傾け、経済的摘採適期を把握しましょう。自分の地域の収穫時期(早場遅場)、芽の熟度をあてはめれば、粗収入のラインができます。 鹿児島のような早場では、量は少なくても単価が高いので出荷できる。逆に、静岡県東部のような遅場では、ある程度の量を確保したいというように、どの程度の収量で摘採したらよいか、地域で判断が異なります。 |
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摘採時期の相場と収量から適期が出せます。4〜5枚の葉で収穫するのが品質的に良く、生理的な適期であり、経済効果も高くなります。早中晩で組み合わせてあれば、全ての茶園で同じ熟度の摘採ができます。または、土地が傾斜地等で、収穫時期がずれる場合も、同じくらいの熟度で収穫するように計画が可能です。 また昨今の相場の動きをみると、これからの摘採は値段以上の価値があるお茶をつくる必要があると思います。相場が安ければ量で稼ぐと言う人もいますが「良いものをつくろう」という気持ちをもって取り組んでほしいです。内容の良いお茶をつくって価値を認められる生産が、これからの農業に必要なことだと思うのです。 |
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●4-2-4.摘採計画を立てる しかし、静岡県のように品種が「やぶきた」に集中していると、摘採計画が熟度に合わせにくくなります。工場の稼働がいっぱいになって「刈り止め」(摘採をやめること)になってしまいます。 やぶきたに集中していることを考えると、右のように熟度の最盛期になるべく多く摘採するよう心がけながら、前後に摘採を振り分けて稼働させる必要があります。 |
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●4-2-5.被覆による摘採時期の延長 摘採計画を立てるうえで、後半の摘採における硬化防止と品質維持がとくに注意すべき点です。対策としては、後半に摘採する茶園の表面に60〜90%遮光率の資材を被覆して、摘採時期の延長をはかります。手間がかかる作業ですが、人為的に摘採時期を延長することで適期の成熟度合での収穫が可能となります。 |
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●4-2-6.直掛け被覆の効果 直掛け被覆は、出開いてから被覆しても芽の硬化を遅らせる効果があり、3〜5日の摘採時期延長が見込めます。二葉期から三葉期ごろに被覆をはじめて、被覆後7〜10日で摘採します。
直掛け被覆をすると、生長を抑制するため芽の出開きは早くなりますが、芽が硬くならないので高品質な収穫が見込めます。 被覆による品質上の効果としては、トータル窒素量とアミノ酸含有量の多いお茶ができます。 |
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●4-2-7.直掛け被覆のしかた 直掛け被覆には、芽を傷めないフワフワした軽量な直掛け用の資材を用います。素材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ビニロンなどの化学繊維で、遮光率60〜90%のシートを使います。
被覆は、摘採面に直接資材をかけます。注意することは、風などでこすれて芽に傷がつかないようにすること。畦の端にクイを立てて、被覆資材をしばって固定し、茶園の裾部はクリップで止めます。
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●4-2-8.協同工場全体で被覆を考えよう しかし、被覆を一農家で行っても製茶の段階で混ざってしまいますから、茶工場単位で摘採計画上で被覆を決めるのが理想的です。協同で計画的に被覆することにより、摘採時期の延長、工場稼働の計画化、荒茶の品質向上、茶工場のイメージアップなど、協同の収益上多くのメリットが考えられます。 共同工場の場合、工場の稼働ラインに合わせて、組合員で摘採の協調を図っています。摘採の集中時期に工場がパンクしないよう、前後に摘採をずらす計画を立てるのです。 地域で計画を立てるには、それぞれの茶園の詳細な特徴を知っておかなければできず、なかなかむずかしい作業ですが、綿密に行っている製茶工場ほどいいお茶をつくっています。また、さらに発展させて年間を通じた茶園管理を地域で統一的に行い、均質な生葉で製造することが理想です。 |
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