特集2.早期成園化
6:幼木園の施肥と根の発育 |
■6-1.幼木園の施肥はこまめに 地上部や地下部の生長や生理機能を高めるには、栄養状態が良くなければ早期成園化は望めません。そのため施肥は重要な対策です。 定植後1ヶ月後くらいに約5kg/10aの追肥を施し、その後2ヶ月に1度程度施肥をして肥切れしないよう注意します。1回の施肥量は窒素成分で5〜6kg/10aの割合で分肥します。
定植後2年目以降は成木と同じ割合の分肥でかまいませんが、濃度障害を避けながら吸収率を高めるために分肥回数を多くした方が効果的です。 |
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■6-2.幼木園の必要窒素量は 定植した苗木は1ヶ月位で活着し、根の活動を開始して養水分の吸収が行われます。それに合わせて定植後1ヶ月くらいの時期に追肥を行います。正確な施肥を行うには、土壌中の窒素含有量の動きを見てデータに基づいて肥料を施すのが理想的です。幼木の場合、1年の生育量は多いのですが、個体が小さいため施肥基準に定められた「成木の40%」というのは充分な量です。ただし、溶脱量が多ければそれだけEC値は下がります。その分だけ吸収される窒素量が少なくなりますから、吸収率を高めるために分肥や土壌と混ぜる必要があります。 |
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施肥方法は植え付け位置から20cm位離して広めに薄く散布します。株元近くに施すと濃度障害によって根が枯死したり、ひどい場合には株ごと枯死することもあります。 施肥の時期は、新芽や再生芽の生育初期の吸収盛んな時期に間に合うように施します。春肥、秋肥は元肥の形で利用されますから、施肥時期が遅れないようにして、生育が最も盛んな時期である夏肥は、成木園と同じ時期に施肥します。施肥に際しては濃度障害に充分注意して、必要と思われたら時期をずらしたり潅水するなどの処置をとり安全を心がけましょう。 |
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■6-4.理想的な根の生育イメージ 定植後、根が順調に生育しているかどうかは掘り起こしてみなければ確認できません。そのため、定植前に前述のような土壌環境の改善を施しておく必要があるのです。幼木の根のはり方で理想的な形は、根量が多く垂直水平に広く分布した状態で、生育のプロセスは右図のようなイメージです。 ポット育苗の場合は移植の損傷もなく生長を続けますから根の生育は2年生苗よりむしろ年間成長量は大きいと思います。根の分布はポット内ではほぼ垂直に近い状態で生長しますから定植後も土壌条件が良ければ垂直分布の強い状態で生育するはずです。しかし、生育経過中に土壌に硬い土塊があったり、ち密層があれば根は水平方向に生育しポット苗は利点が半減してしまいます。 |
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特集2もくじ |2-1:骨格をつくる|2-2:地下部環境|2-3:苗木と植え付け|2-4:仕立て|2-5:防除と災害対策|2-6:幼木園の施肥| |
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