7月号
3.深耕
-秋の樹勢回復にそなえて- |
深耕は、土壌の構造(物理性)を改善して、根の生育に適した環境にするために行います。 土壌の物理性の改善とは、まず透水性・通気性をよくし、膨軟性をよくすることです。 |
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●7-3-2.深耕の時期 深耕は、根が活性化する前で、三番茶の生育停止時期の8月中旬〜9月上旬に行います。茶樹の養分吸収が活発になる秋期(10〜11月)には根が回復していなければなりませんから、秋が早い北部や山間地では早めに深耕します。深耕の時期が遅れてかつ断根が多い場合は、根が回復しないうちに秋を迎えて翌年の一番茶への影響は避けられません。そのために時期を早めると三番茶の生育適期と重なりますが、樹勢を回復させて翌年の一番茶の品質向上を目指すには深耕を優先させる必要があります。 |
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深耕の際、深さ30cm程度耕すのが理想ですが、クランク式の耕耘機やてこ鍬を使用しての作業では、深さ20cmくらいが限界のようです。また、手作業での深耕は重労働です。最近では乗用型茶園管理機で深耕ができますから、導入可能な茶園では有効に利用するのがよいでしょう。 |
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●7-3-4.根が切れる問題 深耕によって根が切れることが心配されますが、茶樹の生態上、少量の断根であれば根量は増えます。断根は、生理生態上良いことではありませんが、土壌の物理性の改善の方を優先させるべきです。断根量が著しく多いと予想される茶園では、早めに(7月ごろ)行って細根の再生をはかります。 |
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気象条件が順調に経過している年、とくに雨量がある年は深耕のチャンスです。深耕をするにあたって恐いのは干ばつです。しかし、干ばつに強い茶園にするためには有効土層を深くすることが最適な対策なのですから、深耕後の茶樹が回復する時期にダメージを受けないように、気象予報に気を配って深耕の時期を決定します。 やむをえず遅くなってしまった場合は、回復期間が短くなるので断根しないよう注意し、場合によっては土壌表面の緻密化した部分だけを浅耕します。 |
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深耕とは、今年やったから来年効果があるというものではなく、累積して効果が得られるものです。深耕による樹勢の回復が地上部へと明らかに早く出てくるわけではありません。しかし、有効土層が深くなることによる茶樹の生理生態への効果は大きく3年、5年と繰り返すことで、活力ある根が深く入って茶樹の再生能力も高まり、園相の良い茶園ができてくる長期的改善策なのです。 |
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7月号もくじ |7-1:三番茶 |7-2:摘採|7-3:深耕|7-4:干ばつ|7-5:土壌診断|7-6:土壌改良|7-7:秋肥・防除| |
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主催:カワサキ機工株式会社
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